優れたエアフローが快適さを生んでいる

テスターは雑誌「ライダースクラブ」のキャプテン、竹田津敏信さん。試乗は高速走行と関東近郊のワインディング走行の両方で行われた。走り出した瞬間に感じられる空気の流れや高速域での抵抗の少なさは、誰にでも体感できるほどに明確、「街乗りでも違いは体感できますよ」とFF-5の感想を語る。

頭が、ニュートラルだ。 空力効果は高速域だけじゃない。

テスター:雑誌「ライダースクラブ」のキャプテン、竹田津敏信さん


 走り出した瞬間から、FF-5の空力の良さは体感できた。頭が、軽いのだ。
 いちはやくFF-5のテストを行う機会を与えられた私は、最新のヤマハYZF-R1を駆り、さっそく高速道路とワインディングでの試乗へと向かった。退屈な市街地を抜け、高速道路をのランプを駆け上がると、FF-5は早速その高いポテンシャルの片鱗を見せはじめた。
 高い速度で走り続けなければならない高速道路は、まさに風との戦いである。最も効率良く風を避けるには、ライダーは強い前傾姿勢をとってカウリングにもぐり込めば良いのだが、サーキットの直線のように瞬間的な動作ならまだしも、高速道路で常にバイクにべったりと伏せて走るわけにはいかない。
 そして、リラックスした乗車姿勢をとると、フルカウルのバイクといえども頭はカウルから出てしまう。そのときに前方から頭が押されるような空気の抵抗は、ライダーのほとんどがそれが当たり前だと感じていると思うが、FF-5を被ってみると、これまで頭がいかに空気の抵抗を受けていたかが理解できる。
 特に違いが大きいのがレーンチェンジなどで横を向いたとき。普通なら頭が風圧で横に持っていかれそうになる場面でも、風の抵抗がほぼ正面と変わらないのだ。FF-5で感じる抵抗のなさ、その不思議な感覚は、まるで頭が空気の層を切り裂いて進んでいるかのようである。なるほど、さすがは風洞実験で開発されただけのことはある。
 FF-5はベンチレーション効果も高い。額のエアインテークは開口部がかなり大きめで、そこから導入された空気が頭頂部を抜けるのがはっきりとわかる。寒い時期は開けっぱなしにしていると冷えすぎるほどだ。ヘルメット内部にこもった空気は後頭部のエアダクトから負圧によって排出されるため、内部は快適。驚いたのは、ベンチレーションの効果は高速域だけでなく、街乗りレベルのペースでもしっかりと体感できたことだ。頬までゆったりと覆ってくれる内装はフィット感が高く、クールマックス®のメッシュ材を使用するため汗を吸ってもベタつかない。これなら夏場のライディングも快適だろう。

 意外だったのが、FF-5最大のウリである空力のメリットは、高速道路やサーキットのストレートだけでなく、ワインディングやサーキットでのコーナリング時にも十分に感じれることだった。考えてみれば、コーナリング時の頭は剥き出し。そして目線をコーナー出口に据えれば、頭は進行方向に向かって横方向に角度をつけることになる。このとき、FF-5のウェイクスタビライザーが効果を発揮してくれる。気持ちよく流すくらいのペースでも、十分にその恩恵にあずかることができるのだ。コーナーの先、その次のコーナーを見据えながら、すでに身体は動いている。そんな瞬間的な身体の動きに対して、頭が抵抗なく先んじて動く。そんな感覚だ。
 これまではヘルメットの空力特性など、さほど意識することはなかった。しかしFF-5を被ってみて、空力がいかに快適性と疲れにくさに影響するかを体感できた。まったく、すごいヘルメットが現れたものだ。

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